絶対に外せないサービスの第6弾です。今回の内容は以下になります。
- k.シルバー(シニア)割り
- l.記念日割り
- m.くじ引き
- n.福袋
- o.アフターサービス
- p.期限内保証制度
サービスの基本は、有形・無形そして有料・無料にかかわらずお客様にとって「分かりやすいこと」「又、受けてみたいと思えること」「この会社や店を又利用したいと感じてもらえること」です。この記事を読んだあなたは「なんて複雑なサービスをしているのだろう」「結局、安くすればお客様が喜ぶと本気で考えているのか」考えさせられることになるでしょう!
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k.シルバー割、シニア割
企業や店舗によって名称は変わるが、目的は同じです。シルバー割引き、シニア割引きとも言う。AEONの会員カードは50歳以上で「GG(ジージー)カード」ですからストレートな言い方ですよね。私はこのカードだけは絶対作りませんね。じいじい=じじいですから。
このサービスをうたっている企業や会社は非常に多いのですが、調べていく内に「複雑化」していて、もし私がサービスを受ける立場としてホームページやその内容を読んだとしても、具体的な年齢から利用できるかは分かっても、書いてあることが複雑過ぎて、
- 結局どのくらいお得なのか
- いったいどうすればそのサービスを受けることが出来るのか
よく分からないと言う企業や会社が多いです。これからご紹介する企業は殆どが大手になりますので一見美容室とは無縁かも知れませんが、サービスを受ける側の立場に立つことで見える事がたくさんありますので、ぜひよく読んで下さい。
1.JALの場合
- 満65歳以上のお客さま
- 生年月日が記載されている公的書類
- JALカード、又はお客さま情報登録済みのJALマイレージバンク(JMB)カード
- シルバーパス
自分が数年後、この割引対象の年齢になってJALのホームページを読んでどう感じるのか・・・割引きの手続きが複雑で、初めて読む人にはこのホームページの内容は分かりにくいでしょうね。65歳以上と言う年齢を考えただけで、
- パソコンやスマホを自由に扱えるレベルの方
- ネット用語や専門用語を理解できる方は少ない
と思うからです。大企業になると「割引きしてやってる感」がどうしても強くなりがちです。私だったら、こんなサービスで考えたり悩んだり、いくら安くなるか問い合わせる前に旅行会社や専門業者に相談すると思います。美容室経営者としては反面教師として一度ホームページを覗いてみるのも良いでしょう。
2.au
- ご契約者がプランご加入時点で
- 満55歳以上の方
- 機種限定
と言う条件付きです。キャリア(DoCoMo、au、SoftBank)なら、どこも似たり寄ったりの割引サービスは用意しているので「機種限定」にしてしまうと魅力はゼロだと考えます。サービスを提供しようとする時に、
- 条件の数をたくさんにしてしまう
と「このようなサービスをしています」というかけ声だけで、実際にこのサービスを受けている人はほとんどいないという状況になりやすいものです。
3.JRは各地域独自の割引サービスがあり、複雑!
JRは地域ごとにそれぞれ独自の割引きをしているようで、JAL同様大手企業の悪いところが出ています。考えてみて下さい。私たちは、電車を利用する時に○○駅から○○駅まで何kmか、なんて考えないでしょう?
車ならスマホのナビアプリで何kmって表示されますが、電車は何キロって表示はされてもそれがJRでつながっているかどうかが分からないですから。しかも、それが連続でつながっているかどうかなんて・・・。悪いサンプルの例としてこちらもぜひ、ホームページを覗いて下さい。
私だったら、JAL同様旅行会社か専門業者を通してチケットを購入します。
JR東海
ジパング倶楽部
- 男性65歳、女性60歳以上の方を対象にした旅行クラブ
- JRで
- 片道・往復連続201キロ以上の利用で割引価格が適用
JR東日本
大人の休日倶楽部
- 男性50~64歳、女性50~59歳が対象の「ミドル」
- 男性65歳以上、女性60歳以上が対象の「ジパング」
という設定ですが、それぞれ具体的な割引きがどのくらいかについては調べていかないと分かりません。年齢条件以外は分かりにくいと感じました。
4.パソコンのDell
「シニア割」と言うのがあり、こちらは購入価格に対しての割引額が分かりやすく設定されています。割引金額が購入者にとって嬉しいかどうかは別にしても、とても分かりやすい表示で好感が持てます。
- 60歳以上のお客様
- 7万円以上~10万円未満 の場合
- 1,000円Off
など購入金額に応じて割引き。数字で金額表示されているので、誰でも簡単に理解できる。
5.全国の美容室比較
この項目の最後は、美容室の例です。「なぜ、60歳以上を対象に割引きをするのか」を明確にした方が良いでしょう。割引きも大切ですが、何のために割引きしているのかは、割引きを受ける側にとって重要です。
同じ業種であっても下記のように、条件も割引率や割引額もさまざまです。本気で60歳以上のお客様を増やしたいのか・・・導入する前によく検討しておく必要があると思います。
- 岡山の例 60歳以上、平日来店限定、10%~20%
- 新潟の例 60歳以上、初来店又は1年以上利用無し、50%割引き、身分証提示
- 宮崎の例 シニア割引 60歳以上、10%OFF
- 滋賀の例 シルバー割引 60歳以上、正規料金分からない、クーポン割引
- 山梨の例 シルバー割引き 65歳以上、電話でおたずね下さい
- 大阪の例 シルバー割引き 年齢表示無し、利用後に会員登録
身分証提示?ってそこまでやる必要があるか、平日来店限定ってお店が暇な時に来て欲しいから?初来店又は1年以上利用無しなら50%割引きってあるけど、常連になると無くなっちゃうのかな?電話でおたずね下さい!ってそんなことで、いちいち電話するのイヤだ!
年齢と割引き率(割引額)の表示だけで分かりやすい方が良いと思いますが、どう思いますか?
l.記念日(誕生日)割り
記念日割りも殆どの企業や店舗で取り入れているサービスの一つですが、新規の時よりも「会員登録後」に適用させるところが多いようです。どんな記念日に使えるかというと、
- 誕生日
- 結婚
- 入学
- 卒業
- 定年退職
- 美容室の開店の日
北海道の美容室の場合「すべてのメニューで1,080円割引き」「定休日の場合はその前後日可能」「他のサービス併用不可」とあります。
記念日の種類によると思いますが、私は「ご本人の誕生日」以外割引きをした経験はありません。「施術料金と店販商品どちらも30%off」でしたが、年に一度商品目当てだけで利用するお客様がいてこちらの方が気持ちが萎えてきたので結局廃止にしてしまいました。
m.くじ引き
今やコンビニでもやっているくじ引きサービス。私もコンビニ系では結構当たります。ちょっと得した気分にはなりますが、たまたま出先で利用した店舗なのでそのお店自体には2度は行かないですね、残念ですけど・・・。当たったのはおもに「ペットボトル飲料」です。
又、セブンじゃないとダメという方もいますが、これだけコンビニ間でレベルに差が無くなってくると、あとは駐車場の入りやすさとか片道2車線とか・・・利用しやすい立地かどうかで決まってしまう気もします。くじ引きそのものはイベントとして楽しいので、継続してもらえると嬉しいです。
美容室もお祭り的な感覚で取り入れているところがあり、以下の方法があります。
- くじ引き
- ダーツ
- さいころ
- スクラッチカード
- じゃんけん
- あみだくじ
- ガラガラポン
など。くじ引きに使う箱やくじは100円ショップでも販売していますので覗いてみて下さい。くじを利用してのサービスは下記のようなものがあります。
- くじで最大20%引き
- 定期時間にタイムセール
- 赤、青、緑で10、15、20%割引き
- 会計時に割引き
- 新しいサロン施術メニューの30%オフチケット
- いつものメニューにプラス1
- オプションメニュー無料体験チケット
美容室のオープン記念や○周年感謝祭など、盛り上げたいイベントに利用すると面白いです。
n.福袋
デパート、電化製品の量販店、ファッション業界に多い。ここ数年は「ネット上」も増えている年始の福袋。最近は化粧品、スターバックス、タリーズなどのCafeや最近ではAKB48などタレントも利用していてボーダーレス化しています。又、事前に予約が必要なものもあります。
- AKBは「CD購入」という条件付きで
- 握手10秒券など形のないものも含まれています
- 最近ではAKB商法と言われ、不満の声も出始めている。
A&Bという形で異業種がコラボして「福袋」にするモノもあります。あなたの美容室に応用できるかどうか、検討して下さい。
- シャンプートリートメント化粧品などの商品の割引
- 施術の割引きチケット
- 商品(ダイエット含む)+施術の組み合わせ
私の美容室では、5年くらい継続して「福袋」を作りました。
- 10,000円
- 30,000円
- 50,000円
の3タイプで、中身は予約注文してもらったものがメイン商品になります。数は50個。50,000円の中には「遠赤ヒーター」や「ヘアドライヤー」が入った事もあり、とても喜んでもらえていました。年末に準備しますが、準備に当たっては、
- 予約制で代金は事前に預かる(現金購入できるメリット)
- 準備に時間が掛かる
- 商品の準備が割合大変
- 準備した後の保管と場所
といつくつかポイントがありますが、販売した後の話題にもなるので「利益」を考えないでお得意様への1年間の感謝を伝えるには適しているサービスの一つとしておすすめします。
o.アフターサービス(アフターケア)
アフターサービス(ケア)に関しては、「無料」で行っている美容室が多いですが、条件で違いが見られます。お客様が施術の結果に対して気になることがあった場合、クレームになる前にしっかり対応することにより「ファン客」にする事が可能なサービスです。条件としては、
- 施術した当日のうちに連絡しないとう受付しない
- 1週間~2週間後までOKと期限をゆるくしている
- ご来店から10日以内とはっきり明示している
- 施術店舗以外でサービスを受ける場合は、系列店の場合のみ事前の電話問い合わせで受付可能
- 私が実践していたアフターサービスの一つです→1週間以内の来店シャンプー無料(但し、ブロー料金1,500円頂戴いたします)
アフターサービスとしてお直しをする時には、ドリンクのサービスやマッサージなどもきちんと行うと良いでしょう。
p.期限内保証制度
アフターサービスと似て非なるものです。これは「保証」の部分なので、POPや口頭ではなくカードやDM等を使いお客様に理解してもらうことにより、より信頼関係を強化する手段になると言えます。「言いづらい」から「言いやすい」環境を準備しましょう。例としては、
- パーマ、通常は7日~10日は技術保証期間 万一お気に召さない場合は・・・
という内容です。このサービスはいかにお客様にとって利用しやすいか、お客様目線に立てるかどうかが鍵と言えます。
今回のまとめ
今回のサービスは単に「やってます」というスタンスでは到底お客様に喜んでもらえるものではありません。大手企業がやっていることはやはりネット化、無人化上のサービスであり、これらのサービスの先にお客様の喜ぶイメージがまったく沸いてきません。私たちは「face to face」で必ずお客様と対面し、コミュニケーションを取らないと成立しない職業です。
せっかくのサービスが、自己満足で終わることのないように戒める気持ちを常に持ち続けていきたいと考えます。内容的に記事が長くなりましたが、最後までお読み頂きありがとうございます。
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