あなたは自分が勤めている美容室や理容室以外に、お客様として行ったことがありますか?
そのサロンでは、例えば「カラーリングとカット・トリートメント」をして最終的にいくら払えばいいのか、事前に知る事が出来ましたか?
最近では理容室でもネイルやエステを導入するところが増えて、以前に比べてメニューの数が多くなっていることを感じます。それでも美容室比べると少ない方だと思います。
今日は、美容室におけるメニューの問題について考えてみたいと思います。
1.メニューが多すぎて選べない!
美容室によっては、ヘア以外の着付け、エステやネイル、脱毛など取り入れていることでメニューがたくさんある事は理解できます。それでも、私自身40年美容師をやっていて常々感じる事は、美容室のメニューってどうしてこんなにたくさんあるのだろうということです。
メニューの数がたくさんあるのが魅力的だと思っているのか、メニューがたくさんあるのがステイタスって思っているのか分かりませんが、ここではお客様の視点に立って考えてみたいと思います。分かりやすく説明したいので、レストランを例にとって考えてみましょう。
今日、あなたは友達と待ち合わせて、一緒にランチを食べることになりました。今まで行ったことのないレストランです。 レストランに着いて周りを見渡すと、「本日のお勧め」と「ランチメニュー」などがPOPに書かれています。
お席の担当者が、一通りオススメとランチメニューについて説明があった後、それ以外のメニューについて簡単に説明してくれました。結局、友人も私も担当者が勧めてくれた本日の日替わりメニューを注文することにしました。
レストランだとだいたいこんな流れになると思います。夜も単品メニューと、セットメニューそれに飲み物の説明があって選ぶのに多少時間はかかっても、お会計の時に大体いくらぐらいかかるか分かります。
あなたの美容室はどうでしょうか。初めてのお客様がお見えになったとき、お会計の際にいくらかかるかお客様に伝わっているでしょうか?
- メニューは分かりやすいですか。
- パーマだけでいくつのメニューがありますか。
- トリートメントメニューは何種類ありますか。
レストランの例でなんとなく分かると思いますが、メニューはお客様が決めるものではなく担当者が誘導するものであって欲しいです。数あるメニューからお客様に「どれにしますか? 」と尋ねても、お客様はよく分かりません。今でこそ、事前にコンシェルジュやヘア担当者がカウンセリングをしてこのような課題は減ってきていると思います。
あなたが自分の美容室を開業するときには、メニューの数ではなくお客様にお勧めできるメニューを施術する前にお伝えしておくというのは重要です。そうすることによって、たくさんメニューがあってもお客様が迷う事は少なくなります。
2.メニューを見てもなんだか分からない!
あなたが勤務している美容室のメニューは分かりやすいですか?
パーマ、ヘアカラー、トリートメント、脱毛、メイクなどはわかりやすい名称だと思います。
少し分かりにくいメニュー名を取り上げてみます。
どんなメニューか想像してください。
- リメイクメンテナンスカラー
- エアウェーブ
- パーフェクトストレート
- セリエエクスパート(トリートメント)
- ファンタスカールリペア
- 炭酸パーマ
- 120分コース(ネイル)
- お出かけゴージャスコース(メイク)
- プレスケア(トリートメント)
- ジョンマスターヘッドスパetc・・・
正直何のメニューか分かりませんでした。あとに、トリートメントとか表示しているから分かるだけで、中身までは想像できません。当たり前ですが、メニューはお客様のためのもの。
どうか分かりやすいメニューで、決して美容師でもわからない複雑メニューはやめてほしいと思っています。
まとめ
あなたが自分の美容室を開業するときには、メニューの数ではなくお客様にお勧めできるメニューを施術する前にお伝えしておくというのは重要です。
そうすることによって、たくさんメニューがあってもお客様が迷う事は少なくなります。
- メニューは絞る
- 複雑怪奇なメニュー名は避ける
- お客様に支払合計金額が分かりやすい工夫をする(税込表示もする)
- 新規客に対しては、会員(メンバー)と非会員の差別化はしない
- 美容室の料金は理容室と比較しても複雑化の傾向にある
メニューはお客様のためにあることを念頭に作りましょう!
編集後記
レストラン・居酒屋・カー販売店・ホテルなどは料金の明瞭化に努力しています。
一方で理容室美容室は、他との差別化を図りたいと考えてるのかわかりませんが、
独自のメニュー名を考えて命名しています。
あなたもネットや街中で美容室のメニューを見てみてください。メニュー表示はホームページやチラシ、看板など、目的に応じて使い分けが必要です。まずは、お客様に興味関心を持ってもらう事がチラシや看板の目的だからです。
決して意味不明なものや理解不能なものは必要ないのです。