美容室を開業した途端、お店の事・お客様のこと・スタッフのこと…経営者である、あなたはもちろんスタッフも美容師本来の仕事以外の作業が圧倒的に増えてきます。
お客様が沢山ご来店すればするほど、お店は汚れますし、クロスやタオルはたくさん使うので洗濯物も増えるし、お茶やコーヒーを出した後は片付けと洗い物の作業が残ります。店舗に面した駐車場がある場合はそちらもお掃除をしなくてはなりません。
さらに使用済みのロットやカラー用カップ・ブラシ、パーマ用キャップなど洗い物がたくさん出ることになります。ご来店してくださったお客様お一人お一人に、担当者が一言メッセージを添えてはがきを出す「サンキューレター」も出すとなると、なおさら営業終了後にたくさんの作業が待ち受けていることになります。
もしもメニューの範囲がヘアにとどまらず、エステやネイルそして着付けなど広がれば広がるほどその片付け作業で追われる形になり、あなたもスタッフも疲れ切ってしまうでしょう。
今回の内容は、自分もスタッフも疲れてしまわないように、もっともっと美容の仕事に集中できるように、外注化出来る事は第三者に任せてしまいましょうという提案です。
外注化というのはピンとこないかも知れませんね。もし、美容室で外注を考えるとすれば次のようなことが考えられます。
- 店内外の清掃
- BGMサービス
- クリーニングサービス
- セキュリティ
- ニュースレター
- メール
- お飲み物
- エステ・ネイル・着付け・メイクアップなど
などが考えられます。この内容は2部に分けてお話したいと思います。この回では1~4まで、その2で5~8について考えてみたいと思います。
1.お掃除編
お店の床のワックス掛けは業者にお願いしましょう。お客様が利用する入り口からシャンプー台・セット面そしてトイレと限定するなら2か月に1回のワックスがけで充分間に合います。費用の目安は40坪前後で約2万円ですので、営業終了後や休業日を使ってスタッフにやってもらうよりもはるかに良いと思います。
なお、店内清掃する業者はたくさんありますので数社見積もってもらい、さらに価格の交渉して安くしてもらいます。その見返りとして「永いお付き合いをさせてもらう」ことと「他の業者には依頼しない」と約束します。
サロンの入り口外側には「特大マット」店内側には「マット」 が必要になりますが、特大マットは業務用で3万円前後で購入できますので、購入を検討してください。店内側のマットは1ヶ月に1~2度交換してもらえるレンタルを利用します。
私のサロンでは汚れることが少なかったので1ヶ月に一度の交換で800円でした。マットを外内それぞれ置くことで店内の汚れやほこりの付き方が全く違います。
2.音楽編
現在、美容室はじめ店内のBGM(バックグランドミュージック)サービスの会社はたくさんあります。昔は「有線放送」しかありませんでしたが、インターネット通信を利用した音楽配信サービス会社が増えています。
価格も競争が激しく様々ですが、ネットによる音楽配信サービスは電波の影響を受けますので、パソコンやスマホでの通信状態が悪いところは導入前に環境をチェックしてもらう必要があります。個人的にはUSEN(有線放送)が安定しているし、トラブルの対処も早いのでおすすめです。
音楽や音にこだわるなら「スピーカー」も設置時に相談すると良いでしょう。又、将来のためにトイレを含む全室に配線してもらって「アッティネータ」を取り付けてもらうことにより、各部屋ごとにスピーカーのボリュームをコントロール出来るようになりますのでとても便利です。(各部屋ごとに音楽は変えられませんが)
3.クリーニング編
タオルは店内に干したり、乾燥機に掛けたり、たまに外に干しているサロンを見かけますが「非日常的空間」の意味合いが求められている美容室では「外干し」は絶対にやめましょう。タオルもレンタルがあります。
私のサロンでは30年前から洗濯機と乾燥機を使ってタオルを洗濯し、乾燥させています。「たたむ」作業だけやっていました。一方、妻のサロンは「レンタル」で、現在は1ヶ月平均の使用本数が2,100本で、料金は40,000円ほどです。使用済みはそのまま袋に入れて、業者さんが週1~2回引き取りと交換に来店するというシステムです。
なお、現在は「ブラウン色」のみを使用して、カットでもカラーでも使えるようにしています。たたむ作業もありませんので、スタッフの負担はゼロです。以前はフェイスガーゼもレンタルを利用していましたが、現在はサロン内で洗濯・乾燥しています。
タオル以外の膝掛けや大判タオルなどは「コインランドリー」が便利です。パーマ用・カラー用のクロスとシャンプークロスは、丸洗いするよりは部分洗いや手洗いの方が防水・撥水効果が長持ちします。むしろ洗いすぎに気をつけてください。
D.セキュリティ編
物騒な世の中になりました。私たちはお客様もスタッフも守らなければなりません。開業と同時に「防犯システム」「防犯ビデオ」の導入を検討してください。参考になるかどうか分かりませんが、妻のサロンの防犯ビデオを見て私のサロンでも震災後に導入しました。
- 駐車場用遠赤外線ビデオカメラ(固定式)1台
- 店内スタッフルーム・ミーティングルーム(固定式)2台
- セット面~シャンプー台~待合など(可動式)1台
- モニターテレビ24インチ
上記の設備と設定で、1ヶ月の料金は1万円未満です(ただし、7年契約)
ビデオカメラを設置する以前は「シャッターの開け閉め」をしていましたが、導入後は一度もシャッターを下ろしたことがありません。セキュリティが作動していると言う安心感は「priceless」だと改めて感じました。
ドアは電子キーと通常の鍵2つを使って開け閉めしますが、スマホやパソコンでどこからでも店内の様子を知ることが出来るのはもちろんですが、スタッフの仕事ぶりや会計時の釣り銭間違いなどHDDに2週間分が録画出来るので、あとでチェックする事が出来ます。
今回のまとめ
今回は美容室における「外注化」について考えてみました。外注化は実行しないとなかなかメリットを感じる事は難しいですが、私自身がそうであったように一度導入すると「やめられない」と思います。今回は、
- お掃除
- 音楽(BGM)
- タオル
- セキュリティ
についての内容でしたが、ぜひサロンの売上げに集中できる体制を整える目的で検討してみてくださいね。
外注化による恩恵はスタッフだけでなく、経営者であるあなたもたくさん受けることになります。仕事量の軽量化、美容師本来の仕事に集中できる環境を整えられる意味合いは大きいのです。
委託することによってお金は掛かりますが、そのわずかな経費よりもスタッフが常にお客様優先で接客に集中できますので、売り上げがその分上昇しますから金銭的負担はまったく心配は要りません。外注化計画によってますます売り上げを伸ばし、経営者そして美容師本来の仕事ができるようにしましょう。
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