ハサミはレベルに合わせて選べ!道具が美容師を選ぶ時代がやってきた

美容師のあなたにとってハサミ(シザー)は、一度購入すると永久的に使える道具といえます。
ご存じのように形状やサイズ、目的に合わせたもの等いくつかの種類があります。現在、ブランドも日本製だけでなく、海外製のものも多く輸入されています。

価格では数千円から数十万円までありますが、自分の技術経験やレベルに合わせてそのつど変えていく必要があります。少なくとも美容師として一人前になるまでは、せいぜい数万円(10万円以内)で良いでしょう。

噂では100万円以上するハサミがあると言いますが、美容師歴40年の私でもお目にかかったことがないし、美容師仲間で使っていると聞いたことがないし、単なる噂であると思っていいと思います。もっとも、時計や車のようにベースとなるものに宝石や本皮を使用したり、ハサミを作る段階でフルオーダーで数ヶ月かけて作ってもらうようなものであれば、上限はきりがないでしょう。

先輩としてはっきり言いますが、そんな高価なものは要りません。
美容室を独立開業したときに、自分へのご褒美として高価なハサミをプレゼントして下さい。

スポンサーリンク

1.ハサミのメーカー&ブランド

ハサミを制作(製造・販売)しているメーカーは数社あり、それぞれ価格や特徴によってブランド化しています。ここでは、このくらいの数のメーカーがあるということを理解してもらい、選択するときは「日本製」でなおかつご自分で「直接手に取って」できれば試し切りさせてもらうのがベターです。

私も40年の中で、特に若い世代の時は珍しいハサミがあるとカッコいいとか、それだけで買ってしまった事があります。雰囲気で選んだために、手になじむ事なく今もシザーケースの中で眠っているハサミがたくさんあります。

以下、メーカーです。

  • ナルト
  • ハヤシ
  • ミズタニ
  • ルミエール
  • アクシス
  • 東光舎
  • ウツミ
  • DOWA
  • アサヒ(ファキモス)

これだけたくさんのメーカーがあり、それぞれブランドをいくつか展開していますから、選ぶとなるとなかなか大変ですね。ハサミも使い続けていると、ねじの調整・刃研ぎなどメンテナンスが年に数回必要になります。

普段は自分で刃に付いている金属片をセーム革などで拭き取り、専用の油を差したり、時に分解掃除する事も忘れないで下さい。堅い床面に落とすと、落ちた角度によっては最悪刃がこぼれて「使用不可能」になります。刃自体はとても柔らかく、刃こぼれしやすいのです。

2.ハサミの種類とサイズ

ハサミの種類はさほど多くありません。カットの目的別で使い分けるだけになります。一時期は、スライドカットが流行りました。カットしている姿がテレビや写真で見るとカッコいいので、それだけは覚えたいという美容師も多かったのですが、なぜか男性美容師に多かったです。アール型シザーも同様です。他にも美容師が考案したハサミが数種ありますが、基本的に必要ないと思います。 

ブラント用とセニング用があれば、一つのスタイルを作るのには十分間に合います。
以下、ハサミの目的別種類です。

  • ブラントカット(ブツ切り)用
  • スライド(毛先を削ぐ)用
  • セニング(ブツ切りカットで毛量を減らす
  • アール(切り口をカーブにする)

上記のブラント用とセニング用があれば、一つのスタイルを作るのには十分間に合います。
また材質やハンドル(指を入れるところ) 、ハサミ本体の長さなどで目的が変わる場合がありますのでその都度検討してください。

日本でも包丁やろうそくを使ってカットするという特殊な手法を使ってカットする美容師がいます。興味深いと思いますが、この手法ではいつまでたっても国家試験には合格しませんので資格取得がまだの方は注意してください。

優先順位で選ぶ時は、ブラントカット用→セニング用→スライド、アール型となります。
お気に入りのハサミを数年使っていると、他のメーカーのハサミは使えなくなります。
形や刃の長さ、ハサミ自体の大きさなど少し違っただけでとても使いづらいものになります。

モノは使ってこそ価値がありますので、無駄な買い物をしないように間違ってもネット通販などで購入しないよう気をつけてください。

3.ハサミの正しい選び方

  • 材質
  • ハンドルの形状
  • 刃の長さ
  • シザーの全長
  • ハマグリ刃(刃の形状)
  • 笹刃(刃の形状)
  • 剣刃(刃の形状)

など、細かい条件がありますが、自分に合うはさみは、自分で見つけ出すしかありません。
とりあえず高価なものは必要ありませんので、自分の収入や技術レベルに合わせたはさみを購入すると良いです。メーカーやディラーでは「クレジット」や「分割」など対応してくれることもあるので、すでにカットの技術者のあなたなら、5万円~10万円のものを、まもなく独立開業予定なら道具にお金を掛けましょう。

まとめ

今回は「はさみ」のお話でした。下記にポイントをまとめましたので、当たり前の項目ばかりかも知れませんが、ここは自分の反省の気持ちも込めて書きました。ハサミはそれなりの出費を伴いますので、購入してからも大切に取り扱って下さい。

  1. 信頼できるメーカー品を選ぶ(日本製/先輩に聞く)
  2. 自分の技術のレベルに合わせて購入する→高級品は独立開業してから。
  3. ハサミには右利きと左利きがある(左用は特注になる場合もある)
  4. サイズは手の大きさや指の太さに合わせる
  5. 床に絶対に落とさないこと(刃こぼれ)
  6. 使用後、毎回の手入れ(セーム革+専用オイル使用)

特に、全長と刃の長さと指が入る「めがね」の部分は、はさみ選びのポイントになるので見た目で判断することはしないで、必ず手に装着して感触を確かめてください。
メーカーやディーラーさんは、よ~くお願いすればほとんどの場合「試し切り」させてもらえます。

編集後記

私自身は30年前自分の店を独立開業して間もない時に、現在も使っているハサミを購入しました。当時30万円でした。おそらく、同等のものを今買おうとすると30万円以上になると思います。あえてメーカーは書きませんが、 30年使っていることを考えると安いものだと思います。

私は、ある女性先輩のレザーカット(カミソリ)にあこがれて、開業以来レザーカットを自分のウリにしています。近年はレザーカットが得意な美容師がほとんどいないので、柔らかいラインや首に沿うようなスタイルなどはさみではとうてい表現できない質感が作れます。先輩でたくさんハサミを持っている人がいるなら、もらっちゃうと言う選択もありです。

スポンサーリンク