普通の人は売上をあげるために、億万長者は「お客さんを獲得するため」に商品を売る!?

はじめに・・・
「普通の人は売上をあげるために商品を売る。でも、億万長者はお客さんを獲得するために商品を売る!」
これは、ダン・ケネディの言葉です。
ダン・ケネディをご存知の方はたくさんいらっしゃると思います。ダイレクトレスポンスマーケティングにおいて数々の伝説を生んでいる人物です。
ダン・ケネディを知らなくても「プロアクティブ」(日本でも有名なあのニキビケア商品です)はご存じのはず・・・プロアクティブもダン・ケネディのクライアント企業の1つです。ダン・ケネディはプロアクティブの最初のテレビショッピングからブレーンとして加わっています。春香クリスティーンや岡田結実など起用したプロアクティブのテレビCMはご覧になった方も多いと思います。
- プロアクティブの約束として60日間返金保証
- 万が一お肌に合わない、満足できない場合は商品をすべてお使いになられても、全商品容器返品で商品代金をお返しします
ところで、ダン・ケネデイのビジネス的価値ですが・・・
- 現在のダンケネディのコンサルティング料金は1日最低128万円
- コピーライティングプロジェクトの依頼は「1件で1,000万円前後+数%のロイヤリティ」が必要
これでダンケネディの凄さがわかって頂けたと思います。今回はダンケネディの話ではなくて、彼の言葉の意味に関連するエピソードについてお話しします。
1.「盗まれるのが嫌なら席にもっていけ」
京都、和食料理店で起きた紛失事件について当事者の藤岡さんのブログから引用します。(以下、ストーリーが分かる程度に編集してあります)
京都で日本酒と京料理が美味しそうなお店を探して、とある一軒の和食料理店に入りました。そこで、お刺身や湯葉を食べながら、地酒を堪能していました。とても楽しい時間を過ごせました。
2時間くらい経ったでしょうか・・・
お会計を済ませて、お店を出ようと入り口に向かいました。そこで、問題が発生しました。一緒に行った連れの靴がないのです。見間違いではないかと一緒に探しました。ですが、やはりありません。これは誰かが間違えて履いて行ってしまったのかも…と思いました。
というのも、そのお店は、履いてきた靴を脱いで入るスタイルのお店で、入り口で「どうぞこちらで靴を脱いでお入りください」のように言われたので、自分で靴箱に靴を入れることはしなかったのです。「お店の人が靴箱にしまってくれて、帰る時に、玄関に出してくれるんだろうな…」と思っていました。
店長らしき人が僕らの席に来ました。事情を話すと、「靴の管理はお客様の自己責任。なので、お店側としては責任を持てない。」というようなことを言われました。
さらに、「代わりに、これならありますが…」と、お店の誰が履いたのかわからない、くだびれたピンクのサンダルを差し出されました。
- 「おいおい、それはないだろう」と思った僕は、
- 「いやいや、それはおかしくないですか?」と聞き返しました。
- その時、店長が言った言葉が「盗まれるのが嫌なら席にもっていけ」
お店に入る時に「このお店には靴箱がありませんので、もし心配でしたら、お席までお持ちください。」そのように言われて、ビニール袋でも渡されたのであれば、僕らもきっとそうしたでしょう。
でも、そんな言葉はもちろん言われていません。よくも、その一言を言えたもんだな…僕はやや呆れてものも言えませんでした。
警察が来て事情聴取されるほどの騒ぎになりました。そして最終的にその店長が言った言葉が
- お店としてはやはり靴の弁償はできない
- なので僕が個人的に弁償します
- 新しく靴を買ってもらえたらその代金を教えてください
- お支払いします
でした。
とても謝罪の気持ちがあるようには感じられません。渋々な感じで印象が良いものではありませんでした。実際、そのお店の料理もお酒もとても美味しくて、連れと「また行きたいね」なんて話をしていたのですが、言うまでもなく、その後、もう二度と行っていません。
2.普通の人は売上をあげるために商品を売る
藤岡さんのエピソードの続きです。
別に僕らは、靴を弁償して欲しかったわけではありません。お店の体裁がどうとかではなく、誰が悪いとかではなく、真摯に対応してくれていれば今後、弁償してくれた靴代の何倍ものお金を使って何度もそのお店に食べに行ったでしょう。
目の前のお客さんを、その場の損得だけで見るか、それとも、いい関係を作って長くきてくれるお客さんになってもらいたいと見るか。その違いだと思います。
そのお店は真摯に謝罪して、靴代を弁償してお金を支払うのを嫌がりました。結果、その後何度も通おうと思うほどに料理に満足していたお客さんを一人失ったわけです。
3.億万長者はお客さんを獲得するために商品を売る
自分は何屋か?という定義が大事で、この京都の料理店で言えば、
- お客さんに料理とお酒を提供して、いい時間を過ごしてもらうことを売るお店」と定義するのか
- ただ「料理を提供するお店」と定義するのか
その定義によって、店長をはじめ、スタッフの接客や働き方も変わってくるでしょう。
今回のまとめ
「普通の人は売上をあげるために商品を売る。でも、億万長者はお客さんを獲得するために商品を売る!?」(ダンケネディ)の意味が分かって頂けましたか?
美容室の場合の商品とは、
- カラーリングやパーマなどの施術
- ヘアケア剤などの店頭販売商品(以下、店販品)
の2つがあります。
ところが、世の中のには店販品を売りたくない美容師がたくさんいます。40年の美容師歴の中でも知り合いの美容師や美容室経営者のほとんどは「売りたくないタイプ」でした。
僕はその考え方には反対です。それは以下のような理由からです。
カラーやパーマの施術の満足度が100%だったとするとお客様の満足度が120%や150%になったときその溢れ出る満足感がはじめて店販品につながるからです。施術に満足できなかったお客様は絶対に店販品を購入することはありません。
つまり店販品が売れている美容師・美容室というのはお客様の満足度がいかに高いかという1種のバロメーターになるのです。
店頭販売商品を売りたくない美容師の脳みその中身は、
- 自分は技術を売ってるんであって商品を売っている訳では無い
- 商品をお客様に押し付けるのは嫌だ
- 商品をお勧めするとお客さまに嫌われてしまう
- 美容師のレベルは技術売り上げで決まる
などたくさんの勘違いが詰まっています。
施術売上と店販品売り上げの比率は8対2がベストです。時期や時間帯によって一時的に来店客数や来店サイクルが落ちたとしても、店販品売り上げが補ってくれるようになります。
美容室における店販品はまさに「お客さんを獲得するために商品を売る」なのです。技術売上をさらに上げるための一つの要素が店販商品でもあります。たとえば訪れた「コーヒーショップ」や「カフェ」で120パーセント以上の満足をもらった時、ついでに展示しているカップやソーサー、コーヒー豆などついつい買ってしまったと経験はあると思います。
ファミレスでもお会計時にレジ周辺にある「お菓子」「おもちゃ」「うどん・そば」などつい買ってしまうのもやはり同じケースです。もしもファミレスで過ごした時間がつまらない、不満だらけの時間だったら帰りがけに商品を買ってしまうことはありませんよね?
これはどんな商売にも通じます。海外の場合はチップで満足度を表現できますが、日本ではチップ制度が定着していないため、商品の追加購入というような形で自分の満足度を相手(店側・担当者)に伝えているのです。では又!
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