今回のテーマ「サロンコンセプトの違いによるサービス・・・」は、過去の私の提案してきたサービスに関する記事と違うものです。
コンセプトの違いは経営者のこだわりやお客様に対しての心遣いなど他の美容室との差(他店との差別化)を感じさせるものだからです。
全体で9項目ありますが、あなたが考えるともっと出てくるかも知れません。
- 簡単に提供できる内容のものと
- 経費が連続して掛かるもの
- それなりの知識や技術が無いと出来ないものなど
そのサービスのタイプによって、スグできることと出来ないことがありますから出来るところからはじめるようにしましょう。
- 貴重品
- 写真撮影サービス
- 店頭販売商品
- フラワーアレンジメント
- 防犯対策
- 保険
- 駐車場
- イベント
- クリンリネス
この中には、他のサービスの項目でも出て来たものも含まれますが、外注化の内容も含まれますので今一度しっかり読み込んで下さい。今回はa.貴重品~f.防犯対策までの5項目について考えます。
a.貴重品
前回の「おもてなしサービス」の最後で触れた鍵付きのロッカーが用意できれば最良です。が、金銭的にも、スペース的にも難しいのであればカゴなど他の代用を考えます。いわゆる「クレーマー対策」です。店内やメンバーズカードなどあらゆる媒体に、
- 「貴重品の預かりはしておりません。お手数でもお客様ご自身でお持ち下さい」
とお知らせしておくことです。サロンによっては、貴重品用の袋を用意してお客様自身に最後まで、移動する度に持って行ってもらう所も増えています。美容室向けの「お客様のお預かり品の紛失や盗難用の保険」もあり、年間1万円~3万数千円で補償が受けられます。
一般の駐車場なども「当駐車場内においてのお客様によるトラブルや事故に関しての一切の責任は取れません」のような文言を読んだことがあると思います。事前に責任回避しておくことは重要なことです。最良なのはやはり「バッグや貴重品は預からないルール」を作り上げることです。初めからルールがあればお客様は従ってくれます。
b.写真撮影サービス
ご本人はもちろんですが、子供さんやお連れになった赤ちゃんなど
- 写真撮影してプリントアウトしてプレゼント
- 写真をカレンダーにしてプレゼント
- 家族連れもみんなで一緒に撮影
- スタッフや担当者と一緒に写真撮影→店内に掲示
等の方法があります。私はよく子供さんをデジカメや一眼レフで撮影して、少しお待ち頂いてカレンダーにしてプレゼントしたり、家族でご主人が一緒に来店してきた場合など「良かったら皆さんでご一緒にいかがですか?」とおすすめして、すぐにプリントアウトしてプレゼントしていました。
美容室の中には「有料」で提供している所もありますが、あくまで無料サービスで良いと思います。下手でもクレームにならないように・・・(笑)。成人式の支度の後にスナップ写真として店内外で写真撮影して後でまとめてプレゼントした方法も喜ばれました。支度直後だと移動による着崩れも無いので記念写真として、特に本人よりもご両親に喜ばれます。
c.店頭販売商品
店内で販売しているシャンプーはじめ、
- ヘアケア商品
- 髪飾り
- 化粧品
- ネイル関連
- 健康食品
- 家庭用美容機器
なども、お客様への立派なサービスの一つです。商品によっては「消費期限」「賞味期限」があるので扱いに注意が必要なものがありますが、美や健康に関するおすすめや話題の製品をおいておくのはある意味リスクになる(他の美容室では避ける)のでサービスと言えるのです。
「普段のお手入れではこの○○シャンプーとトリートメントをお使い頂けると○○になるので、お客様の悩みは解消されますよ」と、要はお客様の困りごとや悩み事の解決に役立つ手段の一つとして商品を扱っているわけです。
シャンプー(洗髪)はほとんどのお客様が毎日しています。ですから必ず
- どこかしらのメーカーのシャンプー剤を
- どこからか購入しています。
美容師は案外そのことに無頓着な人が多いです。その購入先を自分の美容室にしてもらうことで、日頃のヘアケアに具体的なアドバイスが出来るのです。
もし、何をどのように使っているか分からなければプロとしてのアドバイスは一切出来なくなりますよね。せめてサロン内で使用している(業務用としても施術用としても)ヘアケア商品は置いておくべきだと私は考えます。
d.フラワーアレンジメント
お花が大好きな女性はとても多いです。ご自宅でも玄関先や部屋に飾る人もいれば、プランターで育てる、本格的にガーデニングする方もいらっしゃいます。私も自宅で玄関先や室内に生花や観葉植物を欠かしたことはありませんし、花が飾ってあるかないかでは気分がまったく違います。
花々を美容室で導入する方法としていくつか考えられますが、
- 受付に鉢植え(例:蘭など)をおく
- 店先にプランターを置いて季節ごとに花を植え替える
- セット面に一つずつ一輪挿しを置く
- 上得意のお客様の誕生日にお花を贈る
- 出入り口に大きい花瓶を置き、定期的にプロにアレンジメントしてもらう
などです。私のサロンでもいろんな事にチャレンジして来ましたが、花屋さんにお願いしてお店の出入り口の内側に大きな花瓶(壺)を置いて、1週間から10日に一度来店してもらい、フラワーアレンジメントしてもらっていた事があります。それはお客様からのウケは良かったのですが・・・
- 経費は一回10,000円前後
- 季節によって特に夏は持ちが悪く
- 一部が枯れ始めるとあまり見栄えが良くない
ので結局1年くらいでやめてしまいました。
店先のスペースに余裕があれば「プランター」をおいて、スタッフの中にいなければ、お客様で得意な方に花選びから植えるまでを全部お願いしてしまう方法も良いです。お客様の中でその道のプロの方は必ずいますのでお声かけしてみると良いでしょう。
e.防犯対策
防犯対策の中で、特に美容室で発生しやすい事例では
- 荷物の受け渡しの間違いや
- 商品や雑誌の盗難
- スタッフによる釣り銭の間違い
- レジの売上げ金の窃盗
- お客様駐車場での事故やトラブル
- 店休日の部外者による侵入・いたずら
- 待ち伏せによる強盗
などあります。
これらの対策としては、
- 店舗・駐車場の照明を明るくする
- 内部の見通しをよくする
- 防犯カメラを各所に配置
- 緊急非常ボタン・防犯ブザーの設置
- 万引防止のための導入
- 防犯センサーなど機械による警備システム導入
- 出入り口の二重ロック
などがあります。個人的におすすめなのは「防犯ビデオ」になります。防犯ビデオは事前に「この店にはビデオがあるから入られないよ!」と相手に告知していることと同じ意味になるので、店内への侵入を防ぐ効果は大です。設置箇所としては、
- フロントのレジ周辺
- シャンプー台
- セット面
- カウンセリングスペース
- 店舗の出入り口
- 駐車場
の数ヶ所です。ご自身で必要と思うところに設置して下さい。ビデオカメラの種類で「固定式」「可動式」があったり、上級グレードだと人の動きに合わせて追いかけて撮影するタイプまでありますので、安く済ませようと思わないで、プロショップに相談すると良いでしょう。又、自分が休んだり店休日でもパソコンやスマホ・タブレットから24時間どこからでも確認や操作ができるような転送式にすると便利です。
私の美容室では2週間分をハードディスクに録画できるのでスタッフの仕事や接客の様子、釣り銭間違いなどはいつでも確認できますし、確認したいポイントを拡大できる機能もあるのでとっても便利です。
下記は私の美容室の例です。契約は5~7年のリースがほとんどで設備と費用の目安は、
- ビデオ4台(固定式3,可動式1)
- ハードディスクプレイヤー(2週間分のデータ自動保存)
- 外と店内に防犯ブザー
- 電子キー5個(電子キーで防犯のonとoffをします)
- 7年リース
- 月額10,000円以下→リースの途中で最新設備に切り替えたため「12,420円/月」になりました
設置場所は店外の駐車場5台分、フロント(レジ)まわり、お客さまスペース、スタッフルームの4ヶ所です。2011年12月リニューアルした時にシャッターをつけてもらいましたが、7年間一度も使ったことはありません。これは「防犯ビデオ」の設置による安心感で、最大のメリットです。
コンセプトの違いによるサービスのまとめ
今回は「サロンコンセプトによるサービス」としていくつかの項目を取り上げてみました。あなたの考え方が結果としてお客様に提供されるサービスという形になって表れますので、それがお客様目線からは「こだわり」とか「お店の方針」というものに映るわけです。
- 貴重品は預かるか、お持ち頂くか
- お客様をさらに引きつけるために写真撮影を取り入れるか
- 店内の商品販売はするか、するならどの商品まで扱うか
- お花はどこに、どう飾るか
- 防犯対策は・・・
これらの項目は、無理をしてまで開業時から取り入れる必要はありません。途中からでもはじめるとお客様からは「新しいサービス」として認識されます。むしろ利益が十分出てからお客様に利益還元のような形でサービスのバージョンアップしていくと良いでしょう!
今回の防犯ビデオの内容は、2011年12月のリニューアルオープンに合わせて私のサロンに導入したのです。もともと妻の経営する美容室は開業当初から防犯ビデオを取り入れていて(そのメリットの大きさは分かっていましたので)震災を機に、セキュリティ専門の会社を紹介してもらい契約したのです。導入後の価値はまさにプライスレスです。では又。