今話題の「カラーリング専門店」全国に出店ラッシュが始まっていますが、その実態はよく分かっていません。施術料金は極限まで安く、果たして儲かるか、儲からないのか・・・今回は突っ込んで調べてみました。
実は1年半くらい前に知人の経営するカラー専門店を見学に行ったことがあります。そのシステムにはとても興味を持ったものの、いざカラー専門店の経営となると「地域性や料金面」でどうかなぁと言う思いがあったのでそのままになっていました。
ところが、最近になって現在の店を廃業するか継続するかを考えている状態の時に、その知人から改めて「カラーリング専門店やったらどうですか?」と勧められたことでもう一度考えてみる事になったのです。
実は私がカラーリング専門店を知ったのはからこれ20年以上も前。その時も経営者から直接話を聞いてみたものの、経営にはまったく興味が持てませんでした。それは、儲かるとか儲からないと言う前に「せっかく習得した技術を安売りしたくない」という思いがあったからです。
そんなわけで、今回は話題の「カラーリング専門店」について詳しく調べてみました。
1.ターゲットはホームカラーのお客様だけ?
ここ2、3年でカラーリング専門店が増えてきました。特にスーパーやアウトレット店に併設してしてところが多いです。その理由は個人経営ではなくコンビニなどと同様にボランタリーチェーンであったり、多店舗展開している会社の直営店であったりします。
カラー専門店のターゲットが
- 美容室で毛染めをするお客様ではなく
- 自宅で毛染めをしている(ホームカラー)人が対象
であるということが大きなポイントです。
現在毛染めをしている女性の約4割が美容室を利用しています。最近出店しているカラー専門店はホームカラー愛用者にターゲットを絞っているので、料金的に
- 自宅で毛染めするよりも専門店で染めてもらった方がいいよね!
と感じてもらえる料金に抑えています。
カラー専門店を何店舗か調べてみましたが、規模的に大きなお店は必要なく10坪から15坪ていどの大きさで、スタッフも3人前後で対応している小規模店が多いのです。スタッフ一人あたりの担当するお客様の目標人数は最低10人から20人で平均客単価が2,000円程度ですので一人当たりの1日の売り上げ目標が2万円前後となります。
ここまでの特徴をまとめると以下のようになります。
- スーパーやアウトレット店内またはその敷地内の経営が多い
- 平均客単価は2,000円~2,300円
- スタッフ人数は2~3人
- 来店客数目標は1店舗当たり20人から50人
となります。まさに「薄利多売」ですので売り上げに対するスタッフの給料の割合はマックスの50%となっています。 60万の売り上げで30万円の給与となります。
2.オペレーションはどんな感じか?
予約についてはまだ確立していないようで、「予約あり」と「予約無し」に分かれています。又、会計も券売機で事前に購入してもらうことで「レジ作業を無くしている」サロンも多く見受けられます。いよいよ「立ち食いそば屋」のような感覚になってきましたね。
- 券売機でチケット購入
- 荷物は鍵つきロッカー
- カウンセリング
- カラー
- 放置時間
- 自動シャンプー又は+料金で手洗いシャンプー
- セルフドライ
- 基本的に予約は受けない
- 電話応対も無し
サロンによってプロセスの違いはあると思いますが、大まかな流れはこんな感じです。お客様も施術始まりから終了まで40分~1時間程度で済んでしまうよう工夫されています。
3.美容室とカラー専門店の違い
では、従来の美容室とカラー専門店の違いはどこにあるのでしょうか?実は美容室の延長線上で「なんちゃってカラー専門店」というサロンもたくさんあります。カラー料金だけ極端に低料金にしてお客様を呼び込もうとする美容室です。
私から言わせれば、このような美容室の延長線上のカラー専門店は本物のカラー専門店ではありません。本来の美容室との違いは「低料金というだけ」になります。ターゲットも他の美容室で染めているお客様も呼び込みたいと言うのがミエミエですので気をつけなくてはなりません。
では、美容室とカラー専門店の違いを列記してみます。
- お店の連絡先、電話番号は基本的にありません
- カットやパーマなどカラー以外はメニューにありません
- 仕上げは、お客様自身にしてもらいます
- レジは置きません。券売機で対応します
- 鍵付きロッカーを使用し、荷物・上着などお客様が管理
- 受け付け順で予約はありません
- 営業は「パート従業員」がメイン
- ほとんどが手洗いよりも「オートシャンプー」対応
カラー専門店のまとめ
今回カラーリング専門店の内容をまとめるにあたり、 1年半以上前に比べるとかなりシステム化が進み、徹底したコストカットをしていることがわかりました。美容室内のオペレーションはもちろん、オープン前の看板やチラシ作成などのデータも他のサロンと共有する部分があるので、そのまま利用することができます。
冒頭に書いたように、現在はカラーリングする女性は多くなりましたが、 全体の4割以上は自宅で染めるホームカラーです。また国家資格である美容師免許持ちながら志半ばで止めてしまったり出産や子育てでフルタイムではお勤めできない女性の受け皿としてこのカラー専門店はますます出店が増えると考えています。
現在「カラー専門店」への転業?も検討しています。では又。