美容室経営における店舗展開3タイプ、それぞれの準備と問題点とは?

美容室経営に限らず、お店を開業して順調に売上げがあがってスタッフも育ってくると、次に考えるのは、

  1. 増築や改装をして今まで以上にお客さまを受け入れられる環境にする(増員増客)
  2. 2店舗目を出店する
  3. 地域にファン層が出来ているので、ショッピングセンターや大型SUPERの店舗内に移転する

おおよそこんなパターンになります。このパターンで店舗展開している美容室や和菓子屋さんをあなたもいくつか思い当たると思います。

ここで、あなたに質問です。あなたが美容室の経営者だったら・・・

  • 一店舗を長く経営したいと思うタイプですか?それとも
  • 店舗数を2店舗、3店舗とだんだん増やしていきたいタイプでしょうか?

いま頭に浮かんだ答えがあなたの正直な気持ちだと思います。

その答えによって今後開業していくために準備していくことが変わります。多店舗展開と言うとカッコいいのですが、美容室を開業していく内にいつの間にかスタッフも増えて何となく店舗数を増やして行けたのは一昔前の経営です。偶然とか、たまたまとかではうまくいかない状況になっているからです。

今回は、あなたの希望する「自分の将来像」から今、何を準備しておかなければならないかを考えます。なお、以下の項目の~主義は私の作った言葉ですのであしからず。

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A.1店舗主義タイプ

通常は1店舗を経営するだけで大変ですが、この1店舗も

  • 従業員を雇うか
  • 自分一人で営業するか
  • 夫婦で一緒に営業

で方向性やリスク、チャンスも変わります。

私は、オープン当初は技術者は自分だけで、妹など二人にお手伝いしてもらっていました。働くのが女性の場合は特に接客とかの指導を受けなくても、女性同士の独特のコミュニケーションがあるので特に心配することはありません。チラシや個別訪問も女性の方がうまくいくことが多いので、最初にお手伝いやスタッフとして雇い入れるなら女性が良いと思います。

夫婦の場合、二人とも美容師の場合は事前によく話し合っておく必要があります。でないと、途中からこんなはずじゃ無かった!とお互いの方向性ややり方に違いを感じてストレスになり易いからです。

私の知人は、夫婦で20年以上経営して繁盛していましたが、途中からお互いの考え方の違いが大きくなって結局、離婚して別々にお店をやることになってしまいました。後日聞いてみたら「技術者としてお互いにライバル意識が出てしまった」と話していました。本来はお互い理解し合えるはずなのに、ライバル視してしまうこんなケースもあるんですね。

B.2店舗以上~多店舗主義タイプ

個人事業主で美容室を開業して繁盛すると、2店舗、3店舗というように多店舗展開する経営社は途中から個人経営から法人化(法人成り)する事が多いです。スタッフも増えてきて、お客さまも増えてさらに売上も伸びていると経営者として次に考える事は、

  • 「求人募集」
  • 「節税」
  • 「社会保障」
  • 「福利厚生」
  • 「かっこよさ」

等です。

現在、法人化(通常は株式会社)するのは難しくありませんが、よほど売上が安定してスタッフも定着していないとあとあと大変なことになりますので、慎重に進めて下さい。

社会保険はご存じのように、会社側と従業員側でそれぞれ50%ずつ出し合ってはじめて成立する制度です。特に既存のスタッフの場合、それまでもらっていた給料の額からその分が差し引かれる形になるので手取額が減ることになるのです。

社会保険について、そのメリットとデメリットについて事前に理解してもらっておいた方が良いでしょう。給料の時、手元に残るお金が減るのでいやがられることがあるからです。

求人募集についても個人レベルと法人とでは「社会的信用度」が違いますが、現実にはハローワークで募集するわけでない限りあまり影響はありません。殆どの場合、申し込んで来る側は「いくら給料がもらえるのか」しか関心がないからです。

お店に電話してきて「経験3年なんですけど、給料はいくらもらえますか?」なんて聞いてくる人もいます。こんな相手の場合は、実際の店舗に訪問してもらってその雰囲気やスタッフを見てもらい、お金がすべてではないことを分かってもらった方が有意義な募集と言えるでしょう。

「節税するための法人化」というのも一定額を超えなければ意味がありません。法人になることで個人とは別に、法人税・法人所得税・法人住民税など売上に関係なく徴収されるものもありますから、気をつけてください。

さらに「青色申告」は個人でも出来ますが、同じ売上額だったとしても法人の決算は「税理士」に依頼しないととても出来ません。税理士に支払う報酬も年間当たり30万円~50万円かかることになります。資本金の額によって支払い報酬が変わりますから確認しておくと良いです。

複数店舗の美容室を経営していると周囲から「儲かってる」とか「カッコいいよね」とか言われることがよくあります。これは一種のお世辞なのですが、実態は赤字でも見た目は儲かってるように見える事があります。特に男性美容師(自分も含め)の場合、格好つけたり、みえを張ってしまう傾向があるので注意が必要です。

C.チェーン店展開主義タイプ

Bの多店舗展開でも、仕組みが違う方法です。これは「のれん分け」方式で、スタッフが独立したいと希望した時に、その独立開業を手伝うことによって「ロイヤリティ」を毎月払ってもらう方法です。経営者のあなたにも、独立するスタッフにも双方にメリットがあります。ただし経営者とスタッフ間に確固たる信頼関係が必要です。

  • 経営者として、毎月のロイヤリティが手数料として収入になる
  • 独立するスタッフは、技術やシステムを変えること無く導入できる
  • いざという時、スタッフの欠員が出た時など人員を回してもらう事も出来る

ロイヤリティは「定額方式」と「売上額に応じてアップする方式」が一般的です。

定額方式は売上高に関係なく支払いが発生するので、売上が高い状態の時は安く感じますが、低い時は負担になることもあります。

一方、売上歩合方式はその都度売上額に応じて数パーセントを払うので負担が少ないと思いますが、売上が多い時はその分多く支払うことになります。

粗利分配方式というのもありますが、これはコンビニで取り入れている方法なので美容室向きではありませんので、今回は説明を省きます。

今回のまとめ

1店舗を拡大していく考えもあれば、スタッフを育ててやがては多店舗展開に持って行くやり方もある事が分かって頂けたと思います。これは途中で考えるよりも最初に自分が独立開業する時に気持ちの中で考えていた方が良いです。方向がまったく違うからです。方向性が違うとやり方が違います。

将来多店舗展開して「チェーンストア方式」にするならば、最初に作る美容室と2店舗目を作る場所(所在地)が離れてしまってはダメだからです。店舗内の作りや雰囲気も同様で、ターゲットが違えば良いのですが、店舗ごとにターゲットを変えていたら、スタッフは店舗が変わることで接客・接遇を変えなくてはならないので働けなくなってしまうのです。

ターゲットは変えてはいけません。これからのターゲットは間違いなく「40代以降」になります。おしゃれな感覚を持って、自分で稼いでいて、いつまでも若々しく健康でありたい!こんな女性を対象にした美容室展開にして行くことが場所に限らず大事になると思います。

若い人はどうするか?大型店舗にとりあえず任せておくのです。20年も経てば間違いなく私たちのターゲットになるお客様です。今からじっと待ちましょう(笑)!

では又。

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