美容室売上vs経費 これを知らないと経営破綻!?利益を圧迫させない具体的な対策とは?


今回は美容室の 「売上げと経費の関係」を理解しましょう!!

数字がたくさん出てきますので途中で投げ出したくなるかも知れません。でもこれを知らないで美容師を続けていると自分の技術者としての価値も分かりませんし、独立開業したときにスタッフに給料としていくら支払うのが妥当(適切)かも分からなくなってしまいます。ですから最後まで頑張って読み進めてくださいね。

質問です!

あなたは、現在勤めている美容室でいくらお給料を頂いていますか?
15万円~20万円くらいでしょうか。

もらっているお給料が適切なのか、もらい過ぎなのか・・・それとも本来もらっても良い金額よりも実は少ないのか、簡単に計算できますのでご自身で今から計算してみて下さい。

お給料の計算は次のようにやります。ただし、ご自分の毎月の施術売上げ金額が必要です。分からない場合は美容室の経営者や店長に確認してください。
あなたの給料が、

  • 給料15万円の場合→150,000円÷(0.30~0.38)<あなたの施術売上金額
  • 給料20万円の場合→200,000円÷(0.30~0.38)<あなたの施術売上金額 

となります。具体的に数字を出してみましょう。

  • あなたの給料額15万円→ あなたの技術売上 394,000円~500,000円
  • あなたの給料額20万円→ あなたの技術売上 520,000円~660,000円
  • あなたの給料額25万円→ あなたの技術売上 660,000円~830,000円
  • あなたの給料額30万円→ あなたの技術売上 790,000円~1,000,000円

もしあなたが今15万円以上の給料をもらっていて・・・施術売上が394,000円以下だったとしたら・・・あなたはお店に損害を与えている(給料泥棒している)ことになります。

給料をもらう側と与える立場は正反対ですが、これから独立開業してスタッフを雇うかも知れないあなたは今からこの計算方法を覚えておかなければなりません。なぜなら、お店が支払う経費の中でダントツ給料(人件費)の金額が一番大きいからです。

今回は、あまり知りたくない内容かも知れませんが、知っていると経営者としてとても楽ですが、知らないと後になってとても困ることになる内容です。簡単ですからぜひ覚えておいて下さい。

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1.美容室経営で経費負担は「家賃」が一番でかい!

テナントとして店舗を借りる場合、毎月の家賃が発生します。当たり前ですが、毎月支払いが生じる経費は美容室の売上げが安定していないとボクシングで言うボディーブローのようにじわじわと効いてきて、結果的に経営難に陥る原因になることもあります。

お客さんはそこそこ来店していて順調そうに見えるお店がある日突然閉店することがあります。ほとんどの場合高額な家賃が原因です。極端な表現ですが、人件費はスタッフの人数を削ったり(辞めさせる)、経営者自身が取り分を減らすことである程度調整することができます。ところが家賃だけは簡単にスルーしたり、減額してもらえるモノではないからです。

私自身、経営者として毎月の支払いで「これは金額が大きいなぁ」と感じるものは次のものです。

  • お店の家賃(賃貸料)
  • スタッフに支払う給料(人件費)
  • 仕入先への支払い(開業後とその後の材料費)
  • 借入れ先の返済金(銀行や公庫など)

大切なのは、これらの支払内容のひとつひとつに限度額の目安があるので独立開業する前に「お店としてやっていけるか、お店を持つのをあきらめた方が良いか知ることができる」ということです。見込んでいる売上があってその売上金額に対しての比率で計算ができます。

たとえば「売上げが100に対して家賃は8」です。つまり売上げが100万円見込めるなら、美容室の家賃は「およそ8万円までなら大丈夫」と言うことになります。また、この8万円は営業2日の売り上げで賄(まかな)います。

簡単ですから、この数字↑覚えておいてくださいね。

※売上げ1日4万円× 25日営業= 100万円

家賃は2日分の売上で支払える範囲でないと、経営的にあとあと苦しくなります。もし店舗を借りる相手から「家賃10万円」と言われたら契約前に「8万円に値下げ」してもらうよう話してください。店舗を貸す側としては、たとえ減額したとしても継続収入としてその後数十万、数百万円見込めるのですから粘れば値下げに応じてくれるはずです。

私の場合、現在の店舗は20年以上継続して借りているので累計支払総額は3,000万円をかるく超えます。こんな長いお付き合いが続いたからかも知れません、東日本大震災で耐震補強工事を施したうえにリニューアルの費用の8割以上は大家さんが負担してくれたのです。この時は涙が出るくらい嬉しかったです。大家さんの援助なしには再度オープンは難しかったからです。

関連記事:「1999年日本初原子力臨界事故」と「2011年東日本大震災」のこと

2.美容室の「売上げ」と「人件費」の関係を理解する!

家賃同様、経営にとって金額的負担が大きいのはやはりスタッフに支払う賃金=給与です。もちろん自分の取り分も含めて計算します。これも簡単な計算で支払限度額が分かりますので覚えてください。給料は売上げに応じて適切に公正に分配しなくてはなりません。

運転資金に余裕があるうちは気になりませんが、いったん売上が下がると給与支払いが厳しくなりますので、売上に対しての割合をきっちり計算で出し、それ以上の金額は絶対に出してはなりません。

繰り返しますが、売上げ100に対して人件費の割合は、30%(0.30)から最大でも38%(0.38)です。

※売上げ100万円/月=給料分30万~38万円となります。お店によっては、この給与額で一旦全額支払ってから

  • 「材料費」や
  • 「共有費」
  • 「共益費」などを

各人が利用した分を経費としてお店側に支払ってもらう美容室が多いようです。

3.美容の材料費(経費)は年々増加傾向にある

美容室の材料費の割合は、

  • 施術料金に対して 8%~13%と言われてきました。ところが
  • 最近は施術料金に対して13%~20%と言われています。

最低の数字と最高の数字で比較すると材料費はおよそ3倍に膨らんでいることになります。100万円の施術売上のうちなんと20万円を材料として消費していることになります。すごい金額ですね。

材料費の負担が年々増加した原因はいくつかありますが、

  • パーマ人口の減少(パーマをかける人が本当に減りました)
  • カラーリング人口の増加(染める人はどんどん増えてます)
  • 原材料の値上げと高品質化

この3つです。

私が美容師になりたての頃、1980年代はお客さまのほとんどがパーマをかけていました。その数年後にはストレートパーマ(アイロンを使わない縮毛矯正)が出はじめた頃です。当時の美容室の売り上げの中心はパーマとストレートパーマだったのです。

ところが最近はパーマのお客さまはめっきり減って、かわりにカラーリングをする方が圧倒的に増えました。ご存じのようにパーマの薬剤の原価はピンキリで、安いもので一人当たり100円程度です。それに比べるとカラーリングに使う薬剤は安いものでも一人当たり500円以上掛かってしまいます。

月間100人のお客さまで計算しても、

  • パーマなら10,000円の材料費でも
  • カラーなら50,000円掛かることになります。

この差は大きいです。自分のお店のウリのメニューが何であるか、それによって材料にかかる経費も変わります。お客様の要望が多くなればなるほど、要望に対する薬液の種類もたくさん用意しなくてはなりません。カラーリングのメニューだけ考えても、

  • マニキュアタイプ
  • パーマネントタイプ
  • テンポラリータイプ
  • ヘナ
  • 香草

などがあり、さらにメーカーによって

  • 明度
  • 彩度
  • 色味

の特色や違いなどで、多種多様のカラー剤がありますのであらかじめメーカーやディーラーからの仕入れ価格やウリ(お客様にお店としておすすめする色など)のカラーリングを提案する方法を取り入れる工夫も必要になります。

つまりカラーにしてもパーマにしてもすべての薬剤を用意するのでは無くあらかじめメニューを絞ってお客さまに提案すると言うことです。これをやっておかないとあとでキツくなります。そのためにはメーカーやディーラーの勧めるままに仕入れるのでは無く、お店のコンセプト(どのような美容室を作りたいか)から見直すと良いでしょう。

関連記事:美容室のメニュー料金と売上げそして経費との関係を書いた記事

4.美容室における店販はお客様との信頼のバロメーター

私は独立開業してから売上の割合を「施術100:店販商品20」を目標にして営業してきました。 月商100万円の施術売上の場合は、それに加えて商品売上げが20万円別にあると言うことです。

この商品売上げはあくまで、

  • 「お客様に対する自分のセールスレベルと信頼関係の確認」のバロメーター

です。結果的に店側の用意している商品を愛用してくれるお客様は「ロイヤルカスタマー(上得意客)」になる方が殆どです。反対に、パーマやカラーは何回も来てくれているのに「商品は絶対購入しないお客様」もいます。実はこういうタイプのお客さまは店側や担当者と信頼関係が築きにくいタイプです。

なかでも、男性の理美容師の中には「僕はモノ売りじゃないので・・・技術を売っています」なんていう人が多いですが「理美容師は口八丁手八丁は当たり前!」であって、技術だけをウリに出来ない時代に入っているのです。あなたのまわりで、今でも何とか技術だけを売ろうとしている理美容師がいたら、もはや天然記念物か絶滅危惧種に指定しましょう(笑)

お客様はどこかのお店(スーパーやドラッグストア)でシャンプーやトリートメントをかならず購入しているのです。私たちは決して押し売りや押しつけをするのではありません。

お客さまにお金の支払先をドラッグストアから自分のお店に変えてもらうだけです。本当にそのお客様にとってベストな製品をおすすめして購入して頂いた時は、次回来店時に「先日は私に合ったシャンプーを紹介してくれてありがとう!」って感謝されますよ・・・ぜったいに。

5.美容室の家賃は値下げ交渉を何度もすべし!

最初の項に書きましたが店舗が賃貸契約の場合、テナント(店子/たなこと言います)として毎月家賃を支払うことになります。出来れば月々の負担は少ない方が良いのですから、入居契約を書面で交わす前に値下げ交渉をしてみましょう。

ダメ元ですから。

もしあなたが「若いから交渉なんて出来ないし、むずかしそう」と思うなら同業者の先輩や知り合いの不動産屋さん・両親や祖父などにお願いして同行してもらいましょう。万一値下げできたら、値下げ分=毎月の売上げ分に変わるのですからここは頑張りましょう。

私の経験ですが、2店舗目の移転開業当初は20数万円だった家賃を、臨界事故や不景気で客数が減少した時に大家さんと交渉しました。現在も契約が継続しているので具体的な金額は表示できませんが・・・交渉した結果、家賃がグッと下がったのです。ですから「何かのたびに」家賃の値下げ交渉はまめにおこなうことです。

他業種の売上が下がる時は、美容室の売上げも下がるというのは不動産関係者なら知っていますので遠慮はいらないのです。イヤな奴!とも思われませんからどうぞ安心して交渉に臨んで下さい。

6.美容室材料の仕入れ価格も交渉次第!

材料費、商品仕入も同様にメーカーやディーラーにどんどん仕入れ価格を交渉して下さい。
施術料金は頻繁に変えられませんから、なるべく材料費が掛からないよう「良質で納得できる品質・信頼できるメーカーのもの」を選びたいですよね。

その為には、仕入れ先と交渉してできる限り値引きしてもらうよう働きかけます。営業担当者が決定権がない場合は、上司と一緒に来てもらうことです。それでも納得いかない場合はやむを得ませんが「ネット通販」を利用しましょう。

以下、仕入れ値の掛け値に対する違いを比較してみます。
細かい数字がたくさん出てきますが大切な事なのでよく読んでくださいね。

  • 定価1,000円の商品を7掛(700円)で仕入れて、1個販売すると利益は300円。この商品の次回の仕入れをするためには3個以上(3個売って900円の利益)販売してはじめて1個仕入れる事が出来る計算になる。
  • 定価1,000円の商品を5掛(500円)で仕入れて、1個販売すると利益は500円なので1個売れれば、次の仕入れ代金が準備出来る。

上記の例で、店販商品売上げが20万円の時、

  • 7掛(700円)で仕入れた場合、利益6万円
  • 5掛(500円)で仕入れた場合、利益10万円

その差4万円はつまり一日の売上げ分だけの差額が出来てしまうのですから、いかに仕入れ価格が大切か分かってもらえると思います。

私が扱う商品は「仕入れ率50%」がメインで、7掛けの商品はよほど売れる!と確信が持てる製品でない限り扱いません。でも、7掛けが美容業界の常識になっていますからディーラーさんは強気に出てくるかも知れません。そんな時は、交渉するだけ時間の無駄ですので美味しいお茶を飲んでもらってすみやかに帰ってもらいましょう(笑)

美容室の経営を圧迫する、もろもろの経費

いかがでしたか?あなたが「一人営業」すると仮定して考えてみましょう。

※目標売上げ 100万円/月(25日営業)

  • テナント家賃8万円
  • 人件費(給料)30万円
  • 材料費8万円~10万円
  • 店販商品売上げ 20万円(利益6万~10万円)
  • 借入金返済
  • 水道光熱費
  • セキュリティシステム
  • POSレジ
  • 遠赤外線機器、デジタルパーマ器など

これらの経費の金額を見て「行けそうだ!」と思えるなら心配いりません。

仮に、客単価10,000円×4人=40,000円→仮にパーマ、カラーリングの各セット料金が10,000円以上なら、来客数1日当たり4人以上なら行けますよね。反対に客単価5,000円なら×8人/日にしなくてはなりませんが・・・美容室経営では売上げの数字に目が行きがちですが、実際の美容室経営においては売上げと経費のバランスが大事です。

最初から売上げと経費を計算しておかないと途中でバランスが崩れても気がつかず、いつのまにか経営が苦しくなり、結果経営破綻につながることを理解しておいて下さい。この売上げと経費の関係を理解しておけば開業しても大丈夫! これで、夢が一歩あなたに近づきましたね!頑張りましょう。では又。吉原将行

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